わたしは2回とも帝王切開だったので、無痛分娩を選べませんでした。
それでも1人目のときは、真剣に探しています。「痛いのが怖い」と言ったら、母に「みんな痛いのを我慢してきたんだから」と返されて、それがまた嫌でした。
このサイトには、厚生労働省が公表している全国の産院のデータが入っています。せっかくなので、無痛分娩ができる産院がどれだけあるのかを調べて載せています。母数は、お産を扱っている全国2,418施設です。思っていたより、ずっと少なかったです。
無痛分娩ができる病院は全国で893か所でした
お産を扱う2,418施設のうち、「希望すれば無痛分娩ができる」と答えていたのは893か所でした。3施設に1つくらいしかありません。
残りの内訳も書いておきます。
| 希望すればできる | 893か所(37%) |
|---|---|
| 条件によってはできる | 122か所(5%) |
| 取り扱いなし | 384か所(16%) |
| 回答なし | 1,019か所(42%) |
回答なしが1,019か所もあるのは、厚生労働省の調査に答えていない項目があるからです。無痛分娩をやっていないとは限りませんが、こちらからは分かりません。気になる産院が回答なしなら、電話で聞くしかありません。
近所の産院でできると思っていました…そんなに少ないんですか?
わたしも同じように思っていました。麻酔科の先生がいないとできないので、小さい産院ほど扱っていません。住んでいる場所によっては、そもそも選べないこともあります。
無痛分娩ができる病院の割合は、都道府県でここまで違いました
いちばん驚いたのが、地域差です。同じ日本なのに、住んでいる県で選べるかどうかが決まってしまいます。
| 千葉県 | 103か所のうち58か所(56%) |
|---|---|
| 東京都 | 238か所のうち130か所(55%) |
| 神奈川県 | 147か所のうち77か所(52%) |
| 福岡県 | 113か所のうち53か所(47%) |
| 大阪府 | 170か所のうち63か所(37%) |
| 青森県 | 25か所のうち2か所(8%) |
| 秋田県 | 19か所のうち1か所(5%) |
| 岩手県 | 23か所のうち1か所(4%) |
千葉と東京は半分以上の産院が無痛分娩をやっています。岩手県と秋田県は、県内で1か所だけです。
この数字を見たとき、里帰り出産をする方は気をつけてくださいと思いました。いま住んでいる場所でできても、実家の近くでできるとはかぎりません。里帰り先の県で数えてから決めてください。
自分の県を数えたい方は、都道府県のページから見られます。
⇒都道府県から産院を探す(全国1,907施設)
無痛分娩の費用はいくら?中央値は10万円でした
無痛分娩の費用を公表していたのは460か所です。金額を並べてみると、こうなりました。
- いちばん安いところ 1万円
- 真ん中 10万円
- いちばん高いところ 60万円
10万円以下のところが269か所で、公表している産院の6割近くを占めます。20万円以上のところは23か所だけでした。
ここで大事なのが、無痛分娩の費用は、出産費用の総額には入っていないということです。産院のページに「総額60万円」と書いてあっても、無痛にすればそこに10万円が足されます。
出産育児一時金の50万円で足りるつもりでいると、ここで足が出ます。わたしは結局、帝王切開になったので無痛分娩の費用はかかっていません。でも調べていたころは、無痛分娩の費用も総額に入っているものだと思い込んでいました。
手元からいくら出ていくのかは、うちの診断ツールで出せます。無痛分娩にチェックを入れると、金額に足して計算します。
⇒マタニティ出費診断で、自分の手出しを計算する
無痛分娩に健康保険は使えますか?
無痛分娩の10万円に、健康保険は使えないんですか…?
使えないんです。ふつうのお産と同じで、無痛分娩も健康保険の対象外なんですよ。追加の10万円は、全額が自分の負担になります。
ただ、確定申告のときの医療費控除には入れられます。1年間に払った医療費が10万円を超えていれば、超えた分が所得から引かれるしくみです。出産の年は健診も入院もあるので、わたしは2回とも申告しました。
だから、出産にかかった領収書は全部とっておいてください。わたしは1人目のときには大事にとっていなくて、家じゅうを探すはめになりました。
東京都に住んでる妊婦さんは、無痛分娩の助成を調べてください
東京都は、無痛分娩の費用を助成する制度を作っています。自治体によって金額や条件が違うので、住んでいる区市町村の窓口で聞いてください。
わたしが産んだころには無かった制度です。同じように助成を始める自治体が出てくるかもしれないので、妊娠が分かった時点で一度調べておくと損をしません。
24時間いつでも無痛分娩ができる病院は332か所でした
無痛分娩でいちばん知っておいてほしいのが、麻酔に対応している時間です。
無痛分娩ができると答えた893か所のうち、24時間対応できるのは332か所でした。残りの546か所は、時間帯に制限があります。
制限があるというのは、平日の日中しか麻酔科の先生がいない、という意味です。夜中に陣痛がきたら、無痛にできないことがあります。
無痛分娩ができる産院を選んだのに、無痛にできないことがあるんですか?
あります。陣痛がくる時間は選べませんから。だから「無痛分娩できますか」だけでなく、「夜中や休日でもできますか」まで聞いてください。当日になって知っても、もう遅いですからね!
計画分娩になる産院と、陣痛がきてからの産院があります
時間帯の制限と関係しているのが、陣痛をどう扱うかです。893か所の答えを分けると、次のようになりました。
| 計画分娩と自然陣痛のどちらでも対応 | 580か所 |
|---|---|
| 自然に陣痛がきてから対応 | 173か所 |
| 計画分娩のみ | 119か所 |
産む日をあらかじめ決めて、薬で陣痛を起こす方法です。日中に産めるので、麻酔科の先生がいる時間に合わせられます。
産む日が決まっていると、里帰りの日程も、夫の仕事休みも、上の子の預け先も先に決められますよね。
わたしは2回とも帝王切開で日にちが決まっていたので、段取りは楽でした。あらかじめ予定が立つのは、慌てなくて良いし気持ちが楽です。
一方で、自然に陣痛がくるのを待つ方針の産院が173か所あります。夜中に陣痛がきても対応する体制がある、ということでもあります。どちらがいいかではなく、自分が納得できるほうを選んでください。
無痛分娩ができる産院の選び方は?5つのチェックポイント
1人目のときに候補を並べて、比べた項目を書いておきます。
- 夜中と休日も麻酔科の先生がいるか。ここが最優先です
- 追加費用はいくらか。総額とは別に払います
- 計画分娩か、陣痛を待つ方針か。里帰りの日程に関わります
- 年間で何件くらい無痛分娩をしているか。数をこなしているかどうかは電話で聞けます
- JALAに体制を届け出ているか。届け出ていれば、体制を外に公開しています
5つ目のJALAは、無痛分娩関係学会・団体連絡協議会という団体です。無痛分娩をどういう体制でやっているかを届け出た産院が、一覧に載っています。
数えたら、893か所のうち462か所が届け出ていました。無痛分娩ができる産院でも、半分ちょっとしか届け出ていません。届け出ていないから危ないという話ではありませんが、判断の材料にはなります。
うちの産院のページでは、届け出ているところに掲載ページへのリンクを置いています。気になる産院を開いて、無痛分娩の欄を見てください。
産院に電話するとき、無痛分娩について何と聞けばいい?
2,418施設を並べてみて分かったのは、産院ごとに答えが割れるのは3か所だけだということでした。なので、そこを聞けばだいたい大丈夫なはずです。
「無痛分娩を希望しているのですが、夜間や土日に陣痛がきた場合も無痛にしていただけますか?」
「無痛分娩の費用は、出産費用とは別にいくらかかりますか?」
「計画分娩になりますか?それとも陣痛がきてからになりますか?」
わたしは1人目のとき、分娩予約の電話を3か所にかけています。受付の方はどこも慣れていて、こちらが聞いたことには、その場か折り返しで答えてくれました。
聞きにくいと感じるかもしれませんが、無痛分娩を希望する人がまず聞くことです。遠慮して聞かないまま産む日を迎えるほうが、ずっと困ります。
無痛分娩のデメリットは?産院の説明会で聞きました
1人目のときに参加した説明会で、無痛分娩の良いところだけでなく、注意点もひととおり聞きました。産院によって言い方は違うと思うので、必ず自分が産む産院で聞いてください。
わたしが聞いたのは、おもに次のような話です。
- 背中に細い管を入れて麻酔を流すので、その処置自体に時間がかかる
- いきむ感覚が弱くなって、吸引や鉗子を使うことがある
- 計画分娩にする場合は、予定日より前に産むことになる
- 費用が出産費用とは別にかかる
- 陣痛の時間帯によっては、希望しても無痛にできないことがある
こうやって並べると不安になる方もいるかもしれませんが、説明を受けたうえで選んでいる方がたくさんいます。不安なところを質問できる産院かどうかも、選ぶときの材料になりますね!
無痛分娩の産院は、何週までに決めればいいですか?
無痛分娩をやっている産院は数が少ないので、埋まるのも早いです。県内に数えるほどしかない地域だと、1か所埋まった時点で選択肢が消えます。
わたしが1人目のときに分娩予約の電話をかけたのは妊娠6週でしたが、それでも東京の産院から「枠が少ないので、早めにお決めください」と言われています。無痛分娩ができる産院なら、取り合いはもっと厳しいはずです。
妊娠が分かってすぐ動いても早すぎることはありません。心拍が確認できたら電話して大丈夫です。
逆に、20週を過ぎてから無痛分娩の産院を探すのは、かなり大変になります。近所に1か所しかない地域だと、そこが埋まった時点で選べなくなるからです。
岩手県や秋田県のように、県内で1か所しかない地域もあります。数が少ない県ほど、早く動いてください。
同じ県でも、産院が集まっているのは県庁所在地のあたりです。車で40分かけて通うことになる方もいます。通う回数は妊娠後期で週に1回まで増えるので、距離も一緒に考えておいてください。
40分かけて通うのは大変そうですが、それより陣痛がきたときが心配です…どうやって行けばいいんでしょうか?
そこは産院を決める前に確かめておいてください。夜中に陣痛がきたとき、誰が運転するのか。ご主人が単身赴任や夜勤だと、タクシーを呼ぶことになりますよね。地方だと深夜のタクシーがつかまらない地域もあるので、陣痛タクシーの登録ができるかどうかも聞いておくと安心です!
費用だけで産院を決めると、合計で損をすることがあります
無痛分娩の追加費用が安い産院を見つけても、それだけで決めないでください。出産にかかるお金は、足し算で決まります。
たとえば、無痛分娩が8万円の産院でも、もともとの総額が80万円なら合計88万円です。無痛分娩が15万円でも、総額が60万円なら合計75万円で収まります。
ここに個室の差額が乗ります。全室個室の産院だと、大部屋を選ぶことができません。1日あたり1万円の部屋に6日入院すれば、6万円が足されます。
だから、比べるのは無痛分娩の費用ではなく、合計です。総額と、個室の差額と、無痛分娩の追加費用を、3つ足してから比べてください。
産院ごとの総額と個室の差額は、それぞれの産院のページに載せています。足し算はマタニティ出費診断がやってくれるので、金額を入れて出してみてください。
わたしは2回とも帝王切開で、無痛分娩は選べませんでした
20代で子宮筋腫の手術を受けていたので、出産は最初から帝王切開でした。無痛分娩を扱っているかどうかは、わたしには関係のない項目になりました。
候補を並べて出産費用まで比べていたころは、自分で産み方を選べるものだと思っていました。
診察で帝王切開だと言われたときは、正直がっかりしました。麻酔で痛くないなら同じでしょう、と言われることがあります。でも、選べなかったという気持ちは、しばらく残りました。
だから、選べる立場にいる方には選んでほしいと思っています。痛いのを我慢するのが当たり前だという言い方に、付き合う必要はありません。
子宮筋腫の手術と帝王切開の話は、こちらに詳しく書きました。
⇒子宮筋腫の手術をしたら出産は帝王切開?2回経験した話
無痛分娩にしたいなら、産院を決める前に聞いてください
無痛分娩は、あとから希望しても変えられません。扱っていない産院で「やっぱり無痛にしたい」と言っても、できないものはできないからです。
産院を移ることはできますが、分娩の枠が残っているかどうかは別の話です。妊娠が進むほど、選べる場所は減ります。
産院を移るときの手順は、こちらに詳しく書きました。
⇒産院の変更はいつまでできる?わたしは1か月悩みました
もし、まだ分娩の予約を取っていない段階なら、いちばん動きやすいときです。無痛分娩ができるかどうかを先に聞いてから、予約してください。
⇒分娩予約はいつから取れる?妊娠6週で産院に電話しました
痛みの感じ方は人それぞれで、我慢できる方もいます。ただ、我慢するかどうかを自分で決められるのは、産院を決める前だけです。
「出産なび」(厚生労働省)が公表している2025年4月〜9月のデータのうち、分娩を扱っている2,418施設を数えました。産後ケア事業所など、お産を扱わない施設は母数から外しています。
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