1人目のとき、わたしは妊娠14週で産院を変えています。
変えたいと思ってから実際に動くまでに、1か月近く迷いました。迷っていた理由は、出産費用でも家からの距離でもありません。今通っている先生に、どう言えばいいのか分からなかったからです。
同じところで止まっている方がいると思うので、わたしが何と言って、何を持って移ったのかを書きます。
産院を変更した理由は、待ち時間が2時間半だったことでした
最初に通っていたのは、家から自転車で7分の産婦人科でした。妊娠が分かったのもここです。
先生の説明はていねいでしたし、建物もきれいでした。それでも通えなくなったのは、待ち時間です。9時に受付をして、呼ばれるのが11時半という日が続きました。
そのころのわたしは、つわりが一番きつい時期でした。待合室の椅子に座っていられなくて、途中で外に出て、ビルの階段に座ってやり過ごした日があります。健診のたびに体調が悪くなるのは、さすがにおかしいと思いました。
わたしも毎回1時間待っています。でも、それだけで産院を変えていいんでしょうか…?
わたしも当時はそう思って我慢していました。でも、健診はこのあと10回以上あります。1時間でも、10回通えば10時間ですよね。それってわたしには待たされすぎに感じちゃいます。
産院を変更する理由は、言いにくいものが多いです
わたしのまわりで実際にあった理由を並べると、こうなります。
- 待ち時間が長くて、仕事や上の子のお迎えに間に合わない
- 先生との相性が合わない。質問すると嫌な顔をされる
- 無痛分娩をやっていなかった。あとから希望が変わった
- 個室がなかった。あるいは全室個室で、思っていたより高かった
- 引っ越しが決まった
- 持病や手術歴があって、そこでは産めないと言われた
このうち、引っ越しと「そこでは産めない」以外は、正直に言いにくいものばかりですよね?先生に不満があるとは言えませんし、お金の話もしづらいです。
だから多くの方が、どうしようかと悩んで、結局モヤモヤしながらそのまま耐えていると思うんです。
産院の変更はいつまで?わたしは妊娠14週で間に合いました!
健診だけなら、妊娠の後期でも移れます。実際に、34週で転院してきた方がいると、移った先の看護師さんに聞きました。
ただ、分娩の枠が残っているかどうかは別の話です。産む場所として受け入れてもらうには、枠が空いている必要があります。
わたしが14週で電話したとき、移った先の産院は「今の時期なら大丈夫です」と言いました。同じ産院に2人目のときに聞いたら、そのシーズンはもう埋まっていました。時期ではなく、そのときの空き具合で決まります。
| 妊娠初期(〜15週) | ほとんどの産院で受け入れてもらえる。分娩の枠も残りやすい |
|---|---|
| 妊娠中期(16〜27週) | 健診は移れる。分娩の枠は産院しだい。人気のところは埋まっている |
| 妊娠後期(28週〜) | 健診だけなら移れる。分娩は断られることがある。里帰りは32週までが多い |
表のとおり、早いほど選べます。迷っている時間がそのまま選択肢を減らしていくので、変えたい気持ちがあるなら、まず空きを聞いてしまうほうが楽です。
分娩予約を取ったあとでも、産院は変更できますか?
できます。わたしは1人目のとき、東京の産院に取っていた分娩予約を、妊娠20週でキャンセルしています。
そのときのやりとりとキャンセル料は、分娩予約はいつから取れる?妊娠6週で産院に電話しましたに書きました。
ただし、予約金をすでに払っている場合は扱いが分かれます。全額返す産院もあれば、キャンセル料として引く産院もあります。予約の紙に書いてあるので、電話する前に出してきて読んでください。
分娩予約そのものの流れは、こちらに詳しく書きました。
⇒分娩予約はいつから取れる?妊娠6週で産院に電話しました
産院の変更の言い方は?理由を言わずに移れました
わたしが一番怖かったのが、ここです。「待ち時間が長いので」とは言えません。かといって嘘もつきたくありませんでした。
結局わたしが窓口で言ったのは、次の一言です。
「家庭の事情で、別の病院に移ることになりました。紹介状をお願いできますか?」
これだけです。理由は聞かれませんでした。受付の方は慣れていて、「では次回の健診のときにお渡しします」と言っただけでした。
あとで分かったことですが、産院を移る人は珍しくないようです。里帰り、引っ越し、転職。事情はいくらでもあるので、窓口の方はいちいち踏み込んできません。
わたしは1か月も悩んで、実際にかかったのは10秒でした。
先生に直接言うのが気まずいときは、受付でも大丈夫?
わたしは受付で伝えました。診察室で先生に言う必要はありません。
紹介状を書くのは先生ですが、依頼は事務の方から回ります。診察のときに「お引っ越しですか?」と一言あったくらいで、それ以上は何もありませんでした。
もし顔を合わせるのがつらければ、電話でも受け付けてくれます。わたしが移った先の産院は、「電話でご連絡いただければ用意します」と言っていました。
次の病院の名前を、聞かれたりしませんか?
聞かれます。でも責めるためではなく、紹介状の宛名に病院名を書くからです。決まっていないなら「まだ決まっていません」で大丈夫で、その場合は宛名を空けて書いてもらえます。
産院の変更に紹介状は必要?費用は2,500円でした
紹介状は、正しくは診療情報提供書といいます。今までの健診の結果と、血液検査の数値と、妊娠の経過が書いてある紙です。
移った先では、紹介状があるかないかで最初の診察が変わります。無ければ、血液検査をもう一度やり直すことになります。
費用は健康保険が使えて、わたしのときは2,500円ほどでした。血液検査をやり直す金額のほうが高いので、もらっておいたほうが結果的に安く済みます。
もらい忘れても、あとから頼めます。わたしの友人は移ったあとで言われて、前の産院に取りに戻っていました。それは手間ですし、イヤですよね?だから、産院を移る前に頼んでおくほうが、往復しなくて済みます。
頼んでから受け取るまでは、1週間から2週間みておいてください。わたしは次の健診の日に受け取りました。封がしてあって、中は読めません。そのまま移った先の受付に出します。
紹介状のほかに持っていったものは4つでした
- 母子健康手帳。健診の記録が全部入っているので必ず持ちます
- 健診の受診票。自治体から配られた補助の券です。使っていない分をそのまま使えます
- 健康保険証。初診の扱いになるので出します
- エコーの写真。求められはしませんでしたが、経過を見せるのに出しました
受診票は、同じ都道府県の中なら、そのまま別の産院で使えます。都道府県をまたぐときは手続きがいる自治体があるので、住んでいる市区町村の窓口で聞いてください。わたしは里帰りのときに、実家の県で使えるかを先に確認しました。
移る産院はどう選ぶ?わたしは出産費用を先に調べました
1か所目の産院は、家から自転車で7分という理由だけで決めていました。出産費用はまったく見ていません。
移るときはさすがに学習して、候補の産院を3つ出してから出産費用を比べました。総額がいちばん安いところと高いところで、18万円も違いました。自転車で行ける距離に並んでいる産院どうしです。
費用は「出産なび」(厚生労働省)が公表している2025年4月〜9月の請求データです。うちのサイトは、それを産院ごとのページにまとめています。
出産費用のページで見たのは、総額の中央値と、個室の差額と、無痛分娩を扱っているかどうかの3か所です。中央値というのは、その産院で産んだ人をお金の順に並べたときの、ちょうど真ん中の人が払った金額のことです。
平均は、高い部屋を選んだ数人に引っぱられて上がります。真ん中の人の金額のほうが、自分が払う金額に近いです。
手術歴や持病があると、移り先が限られます
わたしのように手術歴があると、移り先の候補がそもそも減ります。
持病や手術歴がある方は、出産費用を調べるより先に「うちで産めますか?」を聞いてください。わたしは移り先の候補を4つ出しましたが、そのうち1つはこの質問で消えました。断られてから出産費用を比べても、時間の無駄になります。
聞き方は「子宮筋腫の手術をしたことがあるのですが、そちらで出産できますか?」で通じました。電話口では答えられないと言われて、折り返しをもらったところもあります。
子宮筋腫の手術と帝王切開の話は、こちらに詳しく書きました。
⇒子宮筋腫の手術をしたら出産は帝王切開?2回経験した話
移るか迷ったら、次の健診で待ち時間を測ってください
我慢できる範囲かどうかは、そのときの体調で変わります。つわりの日はつらく、体が楽な日は平気になります。だから気分で決めずに、数字で見てください。
やることは簡単で、受付をした時間と、名前を呼ばれた時間をメモするだけです。わたしはスマホのメモに3回ぶん残しました。2時間28分、2時間41分、1時間52分です。
ここに残りの健診の回数をかけます。妊娠中の健診は全部で14回前後あって、わたしは14週の時点で10回以上を残していました。平均2時間20分×10回で、待合室に23時間座ることになります。
丸一日ぶんです。数字にして初めて、我慢する話ではないと思えました。
逆に、測ってみたら40分だった、という方もいると思います。その場合は移らないという判断でかまいません。移ること自体が目的ではないので、測って納得できたなら、それも答えです。
2人目のときは、ここに上の子がつきます。2歳児を連れて2時間半座っていられるはずがないので、わたしは最初から待ち時間の短い産院を選びました。
里帰り出産も、産院の変更に入りますか?
手続きとしては同じです。紹介状をもらって、母子手帳を持って、里帰り先の産院に移ります。
違うのは時期です。里帰りの場合は、妊娠32週から34週ごろまでに一度受診してください、と言われることが多いです。わたしは32週までの受診が条件でした。
もう一つ違うのが、分娩の予約を取る時期です。
里帰り出産だと、さらに早くなります。里帰り先の産院からすると、健診の大半を他の病院で受けてきた妊婦さんを、途中から引き受けることになるからです。受け入れ数を絞っている産院もあります。
里帰りは、妊娠が分かった時点で電話しておくのが安全です。枠が埋まってから動くと、実家の近くで産めなくなります。
わたしが里帰り先に電話したのは妊娠6週で、実家に帰ったのは31週でした。その日程の組み方は、里帰り出産でいつ実家に帰る?わたしは30週前後でしたに書いています。
産院を変更したあと、最初の健診で何を聞かれた?
移った先の初診は、いつもの健診より時間がかかりました。1時間半ほどです。
紹介状を出したあと、問診票を書きました。これまでの病気、手術、飲んでいる薬、家族の病気。同じことを前の産院でも書いているのですが、病院どうしで共有されるわけではないので、また一から書きます。
診察室では、先生から3つ聞かれました。
- どうしてうちに移ることにしましたか? ここは正直に「通いやすいので」と答えました
- お産の希望はありますか? 無痛にするか、立ち会いをどうするか
- 前の病院で何か言われていることはありますか? わたしは手術歴の話をしました
1つ目を聞かれたときは一瞬ひるみましたが、責める調子ではありませんでした。診療の方針を決めるために聞いているだけです。
移った先での初診の窓口負担は、わたしのときは5,000円ほどかかりました。受診票が使えない項目があったからです。移った回の健診だけは、少し多めにお金を持っていってください。
もう一つ、移ってから気づいたことがあります。分娩の予約と、健診に通う場所は、必ずしも同じでなくていいということです。
わたしは実家のある静岡の静岡県立総合病院で産むと決めていたので、東京で通っていたのは健診のためだけでした。だから東京の産院を変えても、産む場所は何も動いていません。健診の場所を変えるだけなら、身構えなくて大丈夫です。
ここを分けて考えられるようになってから、産院えらびがずいぶん楽になりました。産む場所は早めに押さえる。健診の場所は、自分が通えるところにする。わたしは2人目のときも同じようにしています。
産院を変えて、よかったと思っていますか?
移った先の待ち時間は、平均して20分でした。健診の日が憂うつでなくなったのは、それだけで大きかったです。
先生は前のところより淡々とした方でしたが、質問には全部答えてくれました。わたしにはそのくらいの距離感が合っていました。
いま振り返って悔やんでいるのは、1か月迷ったことだけです。その1か月のあいだに、候補にしていた産院のうち1つは分娩の枠が埋まりました。迷っている時間は、そのまま選べる場所を減らします。
合わないと感じているなら、まず電話で空きを聞くところからで大丈夫です。移ると決めなくても、聞くだけなら何も起きません。
通う場所は、我慢して決めるものではありません。1か月悩んだわたしが言うので、間違いないです。
産院ごとの出産費用は、厚生労働省が公表している請求データで調べられます。せっかく移るなら、出産費用も見てから決めるほうが後悔しません。
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